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ガーナで側弯症の手術をしてきました。

久しぶりにガーナに戻って脊椎の変形の手術をしてきました。
今回も日本では見ないような激しく背中が変形して、
ほうっておいたら長く生きられない子供の手術ばかりです。
さすがにここまでひどいのはガーナでしかやっていないので、
普段はやらない手術技術を使わなければならないし、難易度の高さが非常に高いので、とても大変です。それを英語の環境の中で、はじめて会ったどのくらい技量があるかわからない人などと手術をするわけですから、これは自分にとっては極限の環境です。
普段日本にいますと、当然ホームグランドですし、阿吽の呼吸があったり、
術者のときは助手も含めて、いろいろなことをコントロールできるのですが、
環境が違うと遠慮してしまったり、いろいろなことが原因で必ずしも力が出しきれない場合があります。今回は朝から大きな手術をやって夕方と終わったら現地の研修医たちに難易度のそんなに高くない脊椎の手術を教えながらやるというスケジュールでした。
難易度のとても高い手術を遂行する上で今回自分がまだ十分でないと思った点は、術中の判断と、対応力です。きっとどこかで遠慮があるのでしょう。
ちょっと環境が変わっただけで、足が地についてないような、他人にふんどしで相撲を取るといいまか、そのような感覚があるのです。
これまでは助手の方が多かったので、あまり気にならなかったのですが、術者をたくさんやるとなると、自分でより的確に判断し、その判断を信頼して周囲に伝え、行わなければならないというあたり前のことが極限の環境では充分でないということがよくわかりました。
また、インストラクターとしてはこれもまた、穴時ことでした。遠慮をしていてはいけない。自分が責任者ですから、その判断を正確に伝えて、すべてのステップを安全に的確に行えるよう指導しなくてはいけないということです。日本ではほぼできているこれらのことが環境が変わるとできない場合があるということがよくわかりました。
来年までの課題として、とてもよいものが見つかったと思います。
もちろん手術技術そのものも、精神力もより磨きぬかなければならないと再認しました。
ありがたいのはこのような環境に身を置く機会を得られるということです。
このような経験をたくさん積むことが、いろいろな意味で、世界で通用する人材を育成する上でどの分野でも重要であるということは言うまでもありません。
私個人の目標は脊柱変形という分野の患者さんをいつどこでもだれとでも最高の結果を得られるようにするということです。
そうでなければ外に出て、このような病気で命を落とす子どもたちを本当に意味で自分で助けることはできないと思います。写真 (6).JPG写真 (5).JPG

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