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新しい側弯症手術方法

本日は新しい側弯症の手術方法のご紹介です。
特発性側弯症の多くのものは成長期に起こりますから、カーブは柔らかい場合が多く、体を左右に曲げるとまっすぐに近くなることはよく知られていることです。このことを利用した手術方法が新たにイスラエルのApifixという会社から発表されました。実はこの方法を以前から僕自身も考えていたのですが、先を越されたなあという感じがしています。
カーブの曲がりがきついところに上下1つずつボルトを入れて、これをラチェットが付いているバーでつなぎます。術後痛みが落ち着いたら患者さんに体を倒してもらうたびにカーブは伸びで、ラチェットですから元には戻らず、時折本人に体を倒してもらうことでどんどん矯正されるというものです。
最終的にはおそらく固定が必要になると思いますが、カーブの大きさをコントロールすることで固定範囲を限られたものにする可能性が高いと思われます。
長期経過をみて、いいものであればぜひ日本に輸入してもらいたいと思っています。
以下はホームページです。
http://www.apifix.com/default.aspapifix.pngapifix2.png
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コメント 7

あきママ

はじめまして。このブログを発見でき非常に感激しております。
娘は、4歳で120度近く湾曲しております。
現在、名古屋の病院でお世話になっております。今年1月5月9月と三度ベプターと言う手術をしましたが、三回とも歩き出したとたんバランスを壊し、矯正が効かなくなります。
ドクターいわく骨が柔らかすぎるためらしいです。
今までに例のない症状で、頭をかかえておられます。
次は、骨を横にVに切れ目をいれてそこをつなげて角度を起こし
グローイングロットにすると言われました、
いつも、ドクター説明のときに何を聞いても、それは、わかりませんとばかり言われるので、とても不安です。
現在の側湾術で小児で使用できるのは、ベプターとグローイングロット以外に何かあるのですか?
それと、八木先生は小児の治療は現在行われていないと書いてありましたが、先生のブログでとても、
わかりやすい説明や真っ直ぐな気持ちに、とても心が救われました、日本にこんな先生がいらしてとても安心しました
治療ができないとしましても、先生の診察を一度いただきよきアドバイスがいただけたらなあと思いますが
診察は受けられるのですか?

by あきママ (2011-10-18 18:03) 

八木満

あきママさんへ
コメントありがとうございます。
ご心配される気持ち大変よくわかります。
詳細をここでお話しすると娘さんの個人情報に関することを公開することになってしまうと思います。よろしければ
fightagainstscoliosis@gmail.com
までメイルをいただけますでしょうか?
また、
以下のサイトにも側弯症の治療を少し紹介しています。合わせてご参考になさってください。
https://sites.google.com/site/gawawanzhengtotatakaou/
八木
by 八木満 (2011-10-19 17:47) 

迷い猫

はじめてコメントさせていただきます。
側弯症と一言で言っても、湾曲している部位によって、内臓障害や痛みなどの不調が現れる人、あまり自覚症状を感じずに過ごせる人といると思います。でも、そういうことは考慮されず、一般的に角度が40度以下だと手術してもらえないですよね。手術適応手前の中等度で、身体の不調に泣かされ、病院に行っても何もしてもらえず途方にくれている患者はどうしたらいいのでしょう?40度以上の人は手術してまっすぐに近づけてもらえるのに、30度台の人は手術してもらえず不調と将来の不安を抱え生きなくてはいけないことに憤りを感じます。また海外の側彎の手術事情はどういった感じなのでしょうか?海外でも一般的に40度を超えていないと手術はしてもらえないのですか?私は30代ですが、20代後半から不調が大きく、QOLはかなり低く、途方にくれています。長文失礼いたしました。
by 迷い猫 (2011-10-21 23:58) 

八木満

迷い猫さん
コメント拝見いたしました。まずはじめに、40度以上の方が全員手術を受け、それ以下の方が全員手術を受けていないわけではないことをご理解ください。
側弯症の患者さんを手術をしないで長期に経過観察(20年以上)した場合の結果は痛みに関しても、生活の質に関しても健康な方と差がないことがわかっています。一方でカーブが大きく、放置すると命にかかわる場合があるのも事実です。一般にはこの命にかかわる場合があるときと、整容上受け入れがたい時に手術を行っているということになります。胸椎と腰椎では少し異なるのですが、カーブの有無と背中の痛みや不調との直接的な因果関係を指し示す報告はないのです。もちろん腰椎の比較的大きなカーブで50代60台になり、椎間板や脊椎が痛んでくると痛みの原因になることがあります。ですから、もし手術を受けても、背骨はまっすぐになるでしょうが、お悩みの症状は改善しない可能性もとても高いということです。一方で固定すれば、麻痺や感染、長期的には隣接する関節の障害による痛みや生活の質の低下、再手術のリスクというものがあります。ですから、これらのリスクと得られる可能性があるものを天秤にかけて、よくお考えになるとよろしいと思います。また主治医が手術に納得していることも必須です。
また、不調が内臓のものであれば、内服薬を飲んだりするという方法もあると思います。原因が他にないのかを調べることも重要なことだろうと考えられます。以上簡単にコメントいたしました。実際には主治医の先生とよくお話をすることが一番大切なことだと思います。
by 八木満 (2011-10-24 10:00) 

迷い猫

お忙しい中、返信コメントをありがとうございました。
あと一つだけ教えてください。海外で、側弯症の研究・手術が進んでいる国はどこですか?欧米も気になりますが、最近では医療観光なども推進している韓国なども気になっています。また世界において、日本の側弯症手術の研究や安全性、技術のレベルはどのあたりに位置しているのでしょうか?それと側弯症の患者数って、人種別に差があるのでしょうか?欧米人に多いとか、アジア系に多いとか。ちょっと気になったので。
by 迷い猫 (2011-10-24 11:56) 

八木満

迷い猫さん
側弯症の研究と診療が世界で最も進んでいる国はアメリカか日本です。だれしもが手術を受けられる現実的な治療費ということであれば、日本がダントツでしょう。アメリカで受ければ数百万円から1000万円程度かかる場合も多くあります。韓国もそこまで高くありませんが、日本よりは圧倒的に治療費は高いでしょう。それから特発性側弯症の発生頻度の人種間の差はありません。黒人も白人もアジア人にも平等に発生します。それでは。
by 八木満 (2011-10-24 17:25) 

迷い猫

お忙しい中、何度もありがとうございました。日本の治療は世界の中でも進んでいるほうなんですね。そして発生頻度に人種間の差はないんですね。日本では、腰の「ヘルニア」や「すべり症」などの言葉がだいぶ知られてきているのに対して「側彎」という言葉はまだまだ全然浸透していないし、我ながらマイノリティだなぁと感じます。側弯症がもっとメジャーで専門医の数も病院も手術件数も日本よりはるかに多い国はあるのかなぁ?と思っていました。逆に貧困や飢餓に苦しむ国や医療の発展が乏しい国でも、同様に側彎に苦しむ患者はいるということですね。
by 迷い猫 (2011-10-25 08:34) 

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