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側弯症 外来

年の瀬ですね。なんとなくあわただしい日が続いていますが、来年に向けて、私の方では少し診察の変更がありました。
これまで側弯症の患者さんの診察の際に、通常の私の外来に予約していただいていたのですが、少し忙しくなってしまったり、時間が十分取れないことがありました。また遠方からお見えになる患者さんには時間がちょっと厳しかったこともあります。
そこで、来年からは
第2,4金曜日15時から17時まで
側弯症専門外来を開設いたしました。
診察を希望なさる方は病院にお電話をいただきますと、外来を受診可能となっています。
これで少しは皆さんが受診されやすくなるかと思います。
毎年少しづつでも環境整備をしていきたいと思っています。
どうぞよろしくお願いいたします。

ガーナで側弯症の手術をしてきました。

先週ガーナに戻り重症側弯症や後側弯症などの重症の子どもたちの手術をしてきました。
私の方では8件の手術とボスのボアチ先生の手術助手を2件行ってまいりました。
いづれもとても困難な手術となりましたが、現地の研修医などと力を合わせて無事にすべての手術を合併症なく行うことができました。
子どもたちの命を助けることができたのかなと、すこしは役に立てたのかなと、ひと安心しています。
チームはもう1週間ガーナに残りの手術を行う予定です。
私は毎度のことですが、後ろ髪をひかれる思いで帰国いたしました。
帰国早々昨日は後側弯症の大きな手術があり、少しばてましたが、こちらもなんとか順調に終えることができました。
通算しますとガーナで執刀した手術も50件50人を超えました。また助手として参加した手術も50件を超えました。
アフリカで脊柱変形のために命をからもればほんの一握りにすぎませんが、一人一人にそれぞれの人生があります。
その一人一人の人生を少しでも良くすることがこれからもできればと思います。

側弯症のTop Articleに選ばれました。

脊椎の病気に関する調査報告を掲載する学術雑誌の中のもっとも有名で格式の高い雑誌に"Spine"という雑誌があります。
数日間にSpineからあなたの論文が昨年度の最も読まれた論文TOP10に選ばれましたという報告をいただきました。
論文のタイトルは
Incidence, risk factors, and natural course of proximal junctional kyphosis: surgical outcomes review of adult idiopathic scoliosis. Minimum 5 years of follow-up.
Yagi M, King AB, Boachie-Adjei O.
Spine (Phila Pa 1976). 2012 Aug 1;37(17):1479-89. doi: 10.1097/BRS.0b013e31824e4888.
というもので、側弯症の固定術後の隣接する脊椎に起こる変形などの障害を分類し、原因を調べたものです。
多くの専門家が興味を持って読んでくださったことをとてもうれしく思います。

これを励みに毎年このようの多くの専門家が興味を持っている分野のためになる研究を継続して、少しでも側弯症治療が前進することに役に立てばと思っています。
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来週はガーナで側弯症の手術です。

今年もこの季節になりました。恒例のガーナでの医療活動です。来週1週間ガーナで脊柱側弯症の重症例の手術を行ってきます。チームは3週間現地にとどまりますが、私は1週間だけの滞在です。滞在中9件の重症側弯症のお子さんたちの手術を執刀することになっています。そのほかに助手が数件の予定です。どのこどもたちも麻痺や痛み、呼吸不全など、命の危機に直面しています。全身全霊をかけて、こどもたちを助けたいと思います。かなり難易度の高い手術で、毎年私自身も寿命が縮まる重いです。いつも行く直前にははたして無事に子どもたちを直すことができるのか不安で、押しつぶされそうになりますが、自分を奮い立たせて頑張ってこようと思います。
いつも手術が無事に終わったときには自分以外の大きな力の存在を感じます。その大きなちからはわたしとこどもたちにとっては神様なのかもしれませんし、あるいは私の師であるボアチ先生からの教えや、信頼なのかも知れません。
今年も無事にガーナに戻ることができそうです。
チームで行うすべての手術が無事に終了することを祈って。
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側弯症学会に参加します。@リヨン

火曜日からフランスで開かれるScoliosis Research Society とHibbs Societyに発表と会議のために参加します。
この学会は世界で最も権威がある側弯症の学会で世界から厳選された側湾に関する最新の知見の約100題の発表を行います。
私も毎年この学会に発表し参加することを大きな目標としています。
今年もありがたいことの私の提出した演題が採用され、発表の機会をいただくことができました。
私の研究の多くは、手術に臨む前にどのようなことに気をつければ合併症を減らすことができるか、よりよい手術をできるかということをテーマにしています。手術は世界の各地で行われるためにどうしても技量やインプラントに違いがありますが、手術に臨むプランニングや、注意点などを明らかにできれば、世界中で行われる手術の成績が良くなるのではないかと期待しています。
今回は昨年から引き続きHibbs SocietyというSRSの前日に行われる会議にも招待され、講演をすることになりました。これは毎年のテーマの中で最も注目すべきテーマに関してその専門家を招待して話し合う会議です。私の研究テーマが昨年に引き続き最重要問題として取り上げられることになり、招待講演という形になりました。長時間の講演ですから、聞く側にストレスのない英語で話せるか。本当に伝えたいことがわかってもらえるか、不安は尽きませんが、日本人の国際社会での存在感が薄れるばかりの状態は私どもの業界でも同じです。なんとか、日本人もいるんだぞと認めてもらえるよう最大限努力していきたいと思っています。
今回自由参加者以外に招待されているのは私と、来年のSRSの会長のDr.Glassmanだけです。
とても栄誉なことだと思います。強行日程で、到着した日の午後から発表ですが、台風で飛行機が飛ばないという事態だけは避けたいと願っています。

今日は側弯症と関係ない話です。

先日FACEBOOKで友人から勧められたリンクを見ていて、
とても大事だなと思ったことがあったので紹介してみます。
これは会議にマナーとルールに関するもので、フィンランドの小学生が作ったものだということです。
事の真相は別にして、とても大切なことだと思います。
以下に紹介します。

図解 フィンランド・メソッド入門 [単行本]
北川 達夫 (著), フィンランドメソッド普及会 (著)
より。

その中に、フィンランドの小学5年生が自分たちで作ったという
議論における10のルールというものがあった。

1. 他人の発言をさえぎらない
2. 話すときは、だらだらとしゃべらない
3. 話すときに、怒ったり泣いたりしない
4. わからないことがあったら、すぐに質問する
5. 話を聞くときは、話している人の目を見る
6. 話を聞くときは、他のことをしない
7. 最後まで、きちんと話を聞く
8. 議論が台無しになるようなことを言わない
9. どのような意見であっても、間違いと決めつけない
10. 議論が終わったら、議論の内容の話はしない

さすがOECDの国際統一テストで二回連続好成績を収めている国の子どもに行う教育は違いますね。これらはついつい忘れがちな会議や議論の大原則ですね。
会議中に雑談する人、人の話を遮る人、自分の意見だけ押し付ける人のなんと多いことか。みにつまされます。

側弯症 夢への一歩

昨日とてもうれしいことがあったのでブログに記そうと思います。
私は以前から、日本やアメリカなどの先進国での側弯症の治療はもとより、アジアやアフリカの途上国で、充分な医療が受けられず、命を落とす側弯症や脊柱変形の子どもたちを助けることにとてもやりがいを感じています。
2009年からボスのDr.Boachieとともに財団を運営し、手術や外来を行い、病院建設の手伝いや、研究などずっと行ってきました。いづれは自分自身でアジアの途上国で、毎年脊柱変形で苦しむ子供たちのために手術を行うシステムを作れればという夢があります。
私たち脊柱変形の治療を専門に行う医師で構成される学会で世界で最も権威ある、実行力のあるしっかりした学会はScoliosis Research Society(SRS)というアメリカに籍を置く学会なのですが、世界で許された数百人がそのメンバーになれます。
私も幸運にそのメンバーなのですが、この学会は途上国の医療にとても熱心で、毎年が会が主導して世界各地の途上国に学会員の医師を送り困難な手術を行い患者を救ってきました。
今回念願がかなって、この学会の中のGlobal Outreach Committeeという、これらの途上国での活動の運営を行う会議のメンバーに正式に招待されました。
これで、すこしだけ自分の夢に近づいたような気がします。人間には寿命があり、私にも外科医としての寿命があります。夢をかなえるための道のりを考えるともうあまり私には時間がありません。
さらに精進して、少しでも多くの子どもたちを助けることができるよう、ベストを尽くしたいと思います。
人事を尽くして天命を待つ。
Do the likeliest, and God will do the best
私の好きな言葉です。
それでは。
May god bless you.

脊椎の新しい手術

ご無沙汰しています。
本日は新しい手術のご紹介です。
といっても世界では7,8年前から広く安全に行われている手術です。日本でも最近やっと承認され、許された数人の脊椎外科医のも現在日本でも行うことができるようになっています。
これまで、脊椎の固定術は背中かおなかを大きく切って行うものが多く、術後傷の痛みや、背中を切った場合には数年から10年経過して、固定した部分の上の脊椎が悪くなり追加手術をしなければいけないという大きな問題がありました。
今回承認された術式はわき腹を少しだけ切ってここから脊椎の操作をすることで、より小さくかつ背中の筋肉に対する損傷も低下できるという手術です。Lateral lumbar interbody fusion (LLIF)といいます。
私もアメリカで勤務していたときにこの手術のトレーニングを受けて、手術にも参加していましたが、自分で日本でやるに際して、先週アメリカからインストラクターを招聘して、手術を行いました。確かに難しいですし、なれない操作ですが、習熟すれば、患者さんにかなりのメリットになると思えます。
新たなことの中に良いと思ったものがあれば積極的にこれを習得し、広めて少しでも多くの患者さんの利益になればと考えています。
新しくてもだめなものもありますが、なるべく目と耳を開いて、新しいより良いものに柔軟でありたいと考えています

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脊椎の新しい手術

ご無沙汰しています。
本日は新しい手術のご紹介です。
といっても世界では7,8年前から広く安全に行われている手術です。日本でも最近やっと承認され、許された数人の脊椎外科医のも現在日本でも行うことができるようになっています。
これまで、脊椎の固定術は背中かおなかを大きく切って行うものが多く、術後傷の痛みや、背中を切った場合には数年から10年経過して、固定した部分の上の脊椎が悪くなり追加手術をしなければいけないという大きな問題がありました。
今回承認された術式はわき腹を少しだけ切ってここから脊椎の操作をすることで、より小さくかつ背中の筋肉に対する損傷も低下できるという手術です。Lateral lumbar interbody fusion (LLIF)といいます。
私もアメリカで勤務していたときにこの手術のトレーニングを受けて、手術にも参加していましたが、自分で日本でやるに際して、先週アメリカからインストラクターを招聘して、手術を行いました。確かに難しいですし、なれない操作ですが、習熟すれば、患者さんにかなりのメリットになると思えます。
新たなことの中に良いと思ったものがあれば積極的にこれを習得し、広めて少しでも多くの患者さんの利益になればと考えています。
新しくてもだめなものもありますが、なるべく目と耳を開いて、新しいより良いものに柔軟でありたいと考えています

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側弯症の学会

今日は学会という研究会のはなし。
患者さんにとっては学会というと医者が集まって病気に関する専門的な内容を話しあう敷居の高くて、自分とは関係のない存在と感じる方が多いと思います。
しかし、これらの学会で話し合われている内容は患者さんの治療をより良く行うための研究ですから、もっとも関連があるのは患者さん自身であるという言い方もできます。
そして、学会というのは非公開の研究会も一部ありますが、多くは誰でも参加できる者です。ですから患者さんも当然参加することができるわけです。
ないようはなかなかむずかしく、専門的なものも多いですが、特にアメリカなどでは、患者さん自身やご家族がそれらの専門的知識を論文や教科書で勉強なさってこういった学会に参加されるケースもよく見ます。ご自身の体に興味を持つことは医師の難解な説明に対する理解や、安心を深める効果も当然あると思いますので、よいことでしょうね。
なかなか時間と手間のかかる作業ですが、側弯症は一生付き合っていく病気であり、一生の中の長い部分を付き合っていく主治医との関係を良好にし、病気に対する理解を深めるためにも、学会などに参加されたり、専門書などで勉強なさるのも時にはよいかもしれませんね。

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