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松井秀喜選手引退に寄せて。

今日元ヤンキースの松井選手が引退を発表しました。年の瀬に大きなニュースです。覚悟はしていましたが、ひょっとして来年もとどこかで願っていたので、とうとうこの時が来たかという思いです。松井選手は素晴らしい選手であるだけでなく、メディアから受ける印象は一人の人間として大変素晴らしく、その人柄は同じ年でありながら、こんなに立派な人がいるのだなと、つねづね尊敬の念を抱いていました。
私は松井選手と同じ年齢で、結婚した年も同じです。また、ニューヨークで働いていた時に松井選手もヤンキースの一員として活躍され、特に2009年にはプレーオフでMVPを受賞する活躍をされました。当時私はニューヨークで困難な時を過ごしており、松井選手の活躍は日本人として、一人のファンとして大変励みになり、また自分が松井選手と同じ日本人であるということを誇りに感じていました。38歳という年齢からくる故障、体力の衰えで思うような活躍ができないということが引退の理由ということでした。もっともな理由だと思います。本人がだれよりもそのことを感じていたのでしょう。
私の仕事は外科医です。華やかなプロスポーツ選手とは違いますが、多くのデスクワークを中心とした仕事と少し違い、手術室で高いパフォーマンスをすることが最も求められる要素の一つであるという点においては、少しだけスポーツ選手に近い要素があります。
私の世界には明確な引退というものは定年までありませんが、当然、体力や技術のピークというのはやってきて、それを過ぎる時が来るはずです。
松井選手は38歳で引退しました。私も同じ年齢です。昨年くらいから自分の手術能力がピークに達しているという感覚があります。これからはゆっくり体力や反射神経、正確性、集中力などが落ちていくはずです。幸い野球やサッカーとは少し違って、経験を積み重ねることで加齢によるこれらの身体的な要素の低下を補える部分も大きいと思っています。
しかし、松井選手が以前に話していたように
心技体のうち一つでも欠けたら自分を出せない。その時はやめるしかない
という大原則にかわりはありません。
すこしでも長く、一人でも多くの子どもたちを助けられるよう、来年はより一層健康管理に気をつけようと思います。
松井秀喜選手20年間本当にご苦労様でした。
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tomochi

はじめまして
無知な私(親)にとって、先生のブログは有り難く感謝しています
新年早々、ココで質問をして良いのか悩んだのですが・・
先生の意見を聞かせて頂ければ嬉しいです

現在 中3の娘が中1の時に脊柱側弯症と診断されてから
無我夢中で装具治療をしてきました(1日20時間以上着けています

色々調べる中で、脊柱空洞症の疑いの検査をされている方がおり
娘は、その様な検査をしていないので もっと詳しく検査した方が良いのでしょうか?

あと、装具治療が終了する時点で中程度の角度であれば
手術は考えなくても良いと考えてよろしいのでしょうか?

娘は初診時 胸椎46 腰椎31でした
今は 少しづつではありますが誤差も含め矯正されているようです
by tomochi (2013-01-03 13:48) 

八木満

tomochiさま
拝見いたしました。
中1から側弯ということでしたら可能性として空洞症の可能性は高くはないですがゼロではないといいうところでしょうか?ただ中1で46度ですから、カーブの大きさを考えると、今後手術も考えなくてはならないかもしれませんね。診察させていたあだければもう少し具体的にお話しできると思います。
by 八木満 (2013-01-04 08:25) 

tomochi

お忙しい中ありがとうございます

高校受験が終わりましたら、もっと詳しく診察したいと思います
手術も視野に入れて・・

先生の言葉で、背中を押して頂けました 
本当に ありがとうございました


by tomochi (2013-01-05 00:17) 

Hana

先生、はじめまして。
以前に先生の診察を受けられた方からこのブログを教えて頂き、お問い合わせさせて頂いております。

私は現在下の度数が既に60度近くに達しており、40代に達した年齢などを考慮し手術を覚悟で専門外来の門を叩きました。
やはりこの確度では手術でしか治す方法がないとの事で、手術を前提とした検査を進めていたのですが、MRI検査で脊髄空洞症(頸椎部分)である事が判りました。
現時点では空洞症で起こると言われている手足のしびれといった症状などもないなど医師の判断により、そのまま側弯症の手術を、という方向で話が進んでいます。
やっと治療に踏み切る気持ちを固めつつあった矢先に聞いた事もない病名を告げられ何だかとても不安で、セカンドオピニオンではありませんが先生にご相談したいと思い至った次第です。
現在掛かっている病院の先生には年齢的にも空洞症を治療する事で側湾が改善する可能性は極めて低いと言われており、医師がそう判断されるのであればその通りだと思っていますし、このまま側弯症の手術に踏み切ろうと思っています。
ただ、空洞症の治療を先にして側湾が手術をせずに治ればなんて事をどうしても考えてしまいます。また、空洞症の治療をしなくても良いのかも心配事として残っています。
まだ担当の先生に色々と聞いて相談しながら最終的な決断をするつもりですが、先生のご意見も伺えれば後押しとなると思いますし幸いです。

お忙しいところ恐縮ですが、宜しくお願いします。

とても丁寧に記された記事や同じ側湾を抱えた皆様のコメントの数々、とても参考になります。
by Hana (2013-02-13 12:49) 

八木満

Hanaさま 
コメント拝見いたしました。脊髄空洞症に関しては原因次第だと思います。ひょっとすると側弯症の原因がキアリ奇形などによる脊髄の圧迫による空洞症が鯨飲だったのかもしれません。Hanaさんの年齢では、空洞症の治療で側弯が改善することはないので、現在頚髄や頭蓋頚椎移行部に強い圧迫や癒着がなければ無症状なら経過観察でよい場合が多いです。5歳以下でキアリ奇形に伴う体幹変形の場合には、キアリ奇形の手術で体幹変形が改善する場合が多いです。良い結果になるとよいですね。
by 八木満 (2013-02-13 16:19) 

Hana

先生、早速ご返信を下さり有難うございました。
肝心な事を書き漏らしてしまいましたが、キアリ奇形が原因とはっきり言われていました。
やはり既に固まってしまった側弯がこれから真っ直ぐになる事はないという事が分かりました。
他の記事も読んで参考にさせて頂き手術に向けて前向きに進みたいと思います。
お忙しい中、有難うございました。
by Hana (2013-02-13 18:21) 

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