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アメリカ側弯症学会に参加して。

先日シカゴでアメリカ側弯症学会に参加してきました。
今回初めて先方から招待されて側弯症の手術後の合併症について招待講演というのを行ってきました。当日は半日ずっと合併症という議題について話し合うセッションでした。
世界中からの参加者と集中的にこと問題について話し合えたので大変参考になるものでした。
同時に、これまで継続的に参加し続けたことによって、この業界の第一人者たちからたくさん声をかけていただくになり、なかにはリクルートの話などもあり、ようやくいろいろな意味でこの分野のメンバーの仲間になれたのだなと実感しました。
最近はサッカー選手や野球選手、ゴルフ選手などのおおくの選手が海外に渡ります。
かれらの自分の技術だけで世界中どこでもやっていくという姿勢は大変すばらしいことだと感じ入ります。
アメリカやヨーロッパではより高いレベルの競争があり、そこに参加して自分を試したいというのが多くの先週の動機のようです。
私の業界では、少し違って、アメリカでもヨーロッパでも私がやる手術内容は同じですし、誰かと競うということもありません。
もちろんサッカー選手がレギュラーになるために競争しないといけないように、我々の業界でもその手術をおこなうためにはある程度の競争があります。
ですから、アメリカの何ヵ所かの施設からリクルートの声がかかっていますが、スポーツ選手が海外に移籍したいというのと同じ動機というのは私にはないので、いまは移籍する予定はありません。
実際に移籍するとなるとスポーツ選手と違い、いろいろ法律上の問題もあり、ちょっと面倒です。
ところで、スポーツ選手がレギュラーポジションの獲得したいと思うと、自分が出場する時に良いプレー、献身的なプレーを見せて監督に認められるというのが、筋だと思いますが、私どもの業界でも本来全く同じはずです。
ですが、ときには監督がいなかったり、監督に権限がなかったり、スポンサーに働きかけたり、本筋とは全く異なった方法で、レギュラー獲得を計画する方もいます。
私が側弯症の方の治療を行う動機は、この子たちをなんとかして助けたいからです。本筋とかけ離れた計画を行う方の考え方は多くの場合私には理解ができません。世の中とはいろいろな考え方のひとびとで成り立っているのだなと実感するこの頃です。

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コメント 7

はな

はじめまして。1才10カ月の娘のことでお聞きしたいのですが。
3カ月程前、背中の左側だけが少し盛り上がっていることに気づきました。歩くときに右腕ばかり大きく振るような歩き方もします。
寝返りの向きとか寝るときの方向によって、一時的に筋肉の付き方が左右で違ってしまったのかなとしばらく様子をみていましたが、これは側弯症の可能性が高いでしょうか?
この時期の側弯症は珍しいとのことですが、小児科でも診断は可能でしょうか?それとも専門の整形外科を探して受診したほうがよいのでしょうか?

お忙しい中、申し訳ありませんがご回答よろしくお願いいたします。


by はな (2012-09-25 13:42) 

八木満

はなさん。
側弯症の可能性はあると思いますが、他の病気の可能性もあります。まず小児科に行き、必要があれば整形外科に紹介を受けるとよいと思います。
by 八木満 (2012-10-01 18:08) 

hara_taka

はじめまして。
側弯症の事について調べていたら、こちらにたどり着きました。
79歳の母が腰椎変形側弯症と診断されました。
安静時でも常に強い痛みがあるようで引きこもっています。
病院では高齢なので手術は難しいと言われ、コルセットなどの物理療法を勧められました。
合わせてブロック注射なども考えています。
もうこの年齢での手術はやはり難しいと思われますか?
ご助言頂けると幸いです。


by hara_taka (2012-10-02 11:24) 

八木満

hara takaさん。
コメント拝見しました。
側弯症が痛みの原因であれば、割と大きな手術が必要となる場合も多く、一慨には申し上げられませんが、年齢的には厳しいことは厳しいです
合併症のリスクはずいぶん高くなるだろうと思います。
もちろん個人個人で体力や健康状態は同年齢でも大きく異なるので何とも言えませんが。
by 八木満 (2012-10-02 17:06) 

ベルギー

はじめまして。

大変役に立つHPを有り難うございます。33才の妻が50度の側湾症で手術を考えています。現在、1才半の子供がおり、二人目の子供もほしいと考えています。その場合、手術は二人目まで待った方がいいのか、それとも一刻も早く行い、体が回復してから(何年ぐらいかかるのでしょうか)、二人目を考えた方がいいのでしょうか?
 
また、現在、ベルギー・ブリュッセルに駐在しています。あと数年こちらにいる予定ですが、先日、ブリュッセルで一番有名と言われる側湾症の先生に診て頂いたら、「ベルギーも日本も側湾症の医療水準は同じ」ということでした。手術は日本にかえって受けますが、フォローアップを考えるとある程度こちらの医療水準も気になるのですが、ベルギーにおける側湾症の医療水準について何かご存じでしょうか?

よろしくお願いします。

by ベルギー (2012-10-09 00:00) 

八木満

ベルギー様
コメント拝見いたしました。
アメリカ側弯症学会などでベルギーのドクターはあまり見かけないですが、おそらく大きな差はないのではと思います。”どの国が”というより”誰に”手術を受けるかということになると思います。手術のタイミングですが、数年以内の手術を受けるのであれば、難易度などに変わりはありません。ただ、出産後に側弯が進む場合があるので、経過をみる必要があります。出産などのイベントが済んでから手術をお受けになるのがよいでしょう。やはり手術ですから、合併症はまれではありますが、でればその後の人生設計に多少なりとも影響する可能性がありますので。
by 八木満 (2012-10-09 07:16) 

ベルギー

お忙しいところ返事ありがとうございます。ここ数日でこのHPを熟読し、だいぶ手術の知識も深まりました。また、丁寧に
このようにアドバイスまで頂いて感謝・感激しております。先生のコメントから、今、一刻を争って早く手術するよりも、家族計画が終わった3~5年後にした方が、望ましいと理解しました。もちろん、セカンド・オピニオンも求めますが、このように側弯症の研究に真摯に取り組んでおられる先生のアドバイスは重く受け止めさせて頂きます。ひきつづきよろしくお願いします。
by ベルギー (2012-10-09 21:33) 

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